「未来の俊傑」として


校長 石黒 浩司


 新潟県立新発田高等学校(通称「芝高」)のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
 当校は、明治29(1896)年、北蒲原尋常中学校として設置が許可され、その翌年に開校し、120年余という県内屈指の伝統を有しています。創立期より、卒業生の多くは旧制高等学校をはじめとする上級学校に進学しており、この進路状況は、当校生徒のほとんどが大学進学等の上級学校進学を進路目標としている現在に連なっています。また、創立期から歌い継がれている校歌には、「吾こそ未来の俊傑と立つる望は皆一つ」の一節があり、昔われのぞみも今も、この「未来の俊傑」となるべく高校生活を送ることが、本校の生徒には求められています。
 学校生活における様々な課題から、国際紛争や気候変動といった国際的な諸問題に至るまで、私たちは、未知の課題や難題にしばしば直面します。この状況を突破するためには、未知の課題・難題を論理的・科学的に深く考え、仲間と協力したり、時にはぶつかったりしながら解決に向けて取り組み、行動していくことが必要です。人間の知性は、こういう状況で発揮されるべきであり、こうした知性を身に付け、自分の拠って立つ場所で生かすことのできる者が「未来の俊傑」といえるでしょう。そして、高校生活はその資質を育成するフィールドであると考えます。
 当校は、この「未来の俊傑」としての資質を育てるための教育活動に取り組んでいます。文部科学省「スーパー・サイエンス・ハイスクール(SSH)」指定校として、データサイエンスの活用等を通じ、科学技術を基盤とした新領域を創造・開拓する未来のリーダーを育てるための教育実践を進めてきました。これまでの2期10年間にわたる取組が評価され、令和5年度からは、第Ⅲ期SSH研究校としての指定を受けました。理数科・普通科ともに科学的探究力を育成する教育プログラムの実践をとおして課題研究・探究活動の質の向上を図るとともに、生徒の主体性を尊重し、各教科の授業実践等において「主体的・対話的で深い学び」の実現を図っています。
 令和元年度から理数科にメディカルコース(入学後に選択)を設置しています。メディカルコースでは、「人々の幸福に貢献し、未来の医学・医療を切り拓く人材の育成」を目的に、医学への関心を高める体験活動や学力向上のための取組を通じて、志高い生徒の医学部医学科等への進学を支援しています。また、長い歴史が育んだ校風として、部活動も盛んであり、現在は25の部活動があり、インターハイにも毎年出場しているほか、体育祭や杉原祭(文化祭)は、生徒会が主体的に準備・運営を行っています。
 当校のホームページでは、これまで述べてきた教育活動について詳しく記されています。各欄で示されている「芝高生」の活躍ぶりをどうかご覧いただき、「未知の課題を深く考え、仲間と協働して課題に立ち向かう」生徒たちを温かく見守っていただければ幸いです。